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配信:2020-01-02
PISAで読解力が低下しているのはなぜか


 昨年のPISAの結果が発表されました。日本は数学的リテラシーで6位、科学的リテラシーで5位(OECD加盟国ではそれぞれ1位・2位)でしたが、読解力は全体で15位(前回は8位。内訳は、①情報を探し出す18位、②理解する13位、③評価する・熟考する19位)という結果でした。

 日本の生徒の正答率が特に低かったのは、同じ商品について書かれた企業のウェブサイトと雑誌のオンライン記事を比較し、根拠を示して自分の考えを説明する自由記述の問題でした。OECDのシュライヒャー教育・スキル局長は「かつては内容が吟味された教科書などの文章を正しく読んで知識を吸収するのが主だったが、読解の性質が変わった。インターネット時代には、大量の不確かな情報の中で自分の考えを導いていく経験が必要」と述べていたとのことです。
 
 何かを購入する際に、同様の機能を備えた製品や評判を調べたり、同じ製品の販売価格や決済方法を調べたりする発想やスキルは、購入する以外にも幅広く役立つものです。問題はそのような学習の方法や生活の方法を日頃から学べるような環境づくりが、家庭や学校などでできているかということです。
このような環境づくりは、いろいろな製品や購入方法があることに気づかせることから始まります。その上で、視野を広げる行動が評価されるという経験が評価されることも必要です。ところが、日本ではまだまだこれらを「勉強しているうちに入らない」と思っている大人が大多数で、視野を広げて幅広く体験する学習を重要視する認識がまだまだ不足しています。
   
 ABI-STAでは開校からこのことを見越して、様々な分野のプロフェッショナルによる体験学習を行っています。今後ますます高まる重要性を見据えて、未来を担う子どもたちのためにより多くの体験学習を展開していきます。

 
*PISAとは、経済開発協力機構(OECD)が加盟国を中心に3年ごとに15歳の生徒を対象に実施する学力到達度調査です。昨年は79 か国・地域(OECD 加盟 37 か国,非加盟 42 か国・地域),約 60万人の生徒を対象に調査を実施しました。